N陳皮エキスが健常高齢者のもの忘れ感に与える影響の臨床研究
本研究の概要
当研究プロジェクトではノビレチン高含有陳皮(N陳皮)エキスが健常高齢者の「もの忘れ感」に与える影響を調べる試験にご参加いただける方を募集しております。本研究は東北大学病院臨床研究倫理委員会の承認を受けて実施しております。
「もの忘れ感」を改善する
もの忘れを自覚しており、軽度の認知機能の低下を認めますが、認知症の診断まではつかない方は軽度認知障害(MCI)と呼ばれます。厚生労働省の推計(平成24年)では、65歳以上の高齢者で約400万人(13%)がMCIとされ、これからも増加が予測されています。MCIは年間約16%が認知症に移行するとされますが、有効な治療や予防方法はまだ見つかっていません。「もの忘れ感」が改善されることで、ポジティブな物の見方が生まれて、生活習慣の改善を促し、活動範囲の拡大、対人交流の増加といった生活の質の向上が期待されます。
ノビレチンとは
陳皮に含まれるノビレチンは、東北大学の山國徹教授らによって、脳のアミロイドβをおさえ、認知症の記憶障害を改善する可能性のある物質として見出されました。また神経の生存・維持に必要なミトコンドリアのエネルギー産生を助け、脳の老化による神経機能の低下を回復させます。
ノビレチン高含有陳皮(N陳皮)
ノビレチン高含有陳皮(N陳皮)は、市場品約250種の中から選別した特別なみかんの皮です。通常の陳皮はノビレチンが少量しか含まれませんが、N陳皮には豊富に含まれており、健常高齢者の「もの忘れ感」に対して良い影響が期待されます。 N陳皮は、記憶に関わる海馬の神経細胞において、ノビレチン単独より強力に記憶力を活性化します。その秘密は、N陳皮にはノビレチンだけではなく、シネンセチン、タンゲレチンなどの活性成分が含まれており、ノビレチンと協力して強い作用を発揮することにあります。
本研究へのご協力のお願い
ご参加いただける方
- 65〜85才までの健康な方(男女問わず)
- 認知症の診断を受けていない方
- 柑橘類へのアレルギーがない方
- 参加される方の日常生活をよく知っているご家族などの協力が得られる方
ご注意:上記に該当していてもこの試験に参加いただけないことがありますので、予めご了承ください
試験の方法
研究に参加された方には、N陳皮エキス、通常の陳皮エキスのいずれかを24週間、服用していただきます。どちらを服用していただくかは無作為に決まり、N陳皮エキスを希望して服用することはできません。 参加された方には、服用開始前、服用から12週目、24週目、36週目、48週目にもの忘れ感のアンケート、神経心理検査、医師診察等を受けていただきます。
*この試験は主観的なもの忘れ感への影響を評価するものです。その後に認知症にならないことを意味するものではありません。
参加を希望される方、試験にご興味のある方は下記のお問い合わせ窓口までご連絡ください。
お問い合わせ窓口
電話: 022-717-7359
受付時間は平日(月曜日~金曜日)の午前10時から午後17時までになります。
担当者
東北大学未来科学技術共同研究センター 高齢者高次脳医学研究プロジェクト
- 試験責任医師: 目黒謙一
- 試験相談窓口医師: 厚東知成
メール
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